理事長挨拶
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特定非営利活動法人 日本皮膚外科学会
理事長 竹之内 辰也
皆様、こんにちは。日本皮膚外科学会理事長の竹之内です。私が大原國章前理事長から現職を引き継いで、早くも2年が経過しました。当学会の取り組みと今後の展望についてお話しさせていただきます。就任当初の1年間は、学会事務局企業の交替という大きな課題に直面し、その対応にほぼ全力を注がざるを得ない状況でした。最終的に春恒社様に事務局業務をお願いすることとなり、現在では学会運営もようやく安定し、前向きな取り組みに注力できる体制が整いつつあります。
本学会は1986年に「皮膚外科勉強会」として神戸で発足し、1996年より「日本皮膚外科学会」として歩みを続けてまいりました。実際に診療の最前線でメスを握る皮膚科医・形成外科医が一堂に会し、技術と知識を率直に共有する場として、その歴史を積み重ねてきました。一会場制で時間を惜しまない活発な討論、現場主義を貫く姿勢など、勉強会時代から受け継がれてきた空気感は、今も当学会の大きな特色であると自負しています。
一方で、学会を取り巻く環境は大きく変化しています。近年、若手医師の学会離れは深刻であり、新規入会員数や学術集会参加者数の伸び悩みという課題に直面しています。この現状に対する危機感は、学会幹部全員が共有しており、ここ数年は「魅力ある学会とは何か」を改めて問い直し、さまざまな改革に取り組んできました。その一環として、「若手医師の活躍の場を創出する」ことを目標に掲げ、学術集会期間中のハンズオンセミナーによる実技指導なども企画しています。また、日本皮膚外科学会学術研究奨励賞を設け、多施設共同研究によるエビデンス創出を積極的に後押ししています。これらの取り組みは、受賞者による米国臨床腫瘍学会(ASCO)での発表や、海外医学誌への論文掲載といった具体的な成果にもつながっています。さらに近年は、学会レベルでの国際交流も着実に活性化しています。海外演者の招聘に加え、当学会からもアジアを中心とした国際的な皮膚外科学会へ積極的に参加し、国境を越えた技術・知識の共有を進めています。
そして本学会は、これから大きな節目を迎えようとしています。長年の懸案であった日本臨床皮膚外科学会との合併に向け、2026年度から本格的な協議を開始する予定です。もともと志を同じくしてきた両学会が一つになることで、それぞれの強みを生かし合い、若手医師にとって、より魅力的で発展性のある皮膚外科の学術集団へと成長できるものと確信しています。
手術器具やテクノロジーがどれほど進歩しても、限られた道具で体表疾患に向き合う皮膚外科の基本手技は、これからも変わらず受け継がれていくべきものです。そうした技と精神を次世代へ伝えていくことも、当学会の重要な使命だと考えています。ぜひ多くの先生方に、実際に学会へ足を運んでいただきたいと思います。きっと、他の学会とは一味違う「皮膚外科ならではの空気」を感じていただけるはずです。皆様のご参加を、心よりお待ちしております。
2026年1月
理事長 竹之内辰也